彼はもともとは普通の、むしろ模範的な人生を送っていた。
もちろん噂にすぎないので本当にそうかは分からない、
しかしはっきりしていることは
彼がその生活に飽き飽きしていたということだ。
彼が退屈な人生にピリオドを打つことにした、つまり裏の世界の住人となったのは、15才の時だった。
業界に入ってすぐ、彼は持ち前の頭脳と顔と身体能力、演技力で数々の凄まじい活躍を見せ、1年弱でその道のプロの一人となった。
彼は非常に手際良く、足がつかぬよう十分考慮してコンスタントに事件を起こしていた。
その才能は裏の世界で認知され様々な人が彼に依頼をするようになり、彼はトップクラスの犯罪者になった。
しかし彼はどんなに金を積まれてもどこかの組織に所属することはなかった。
彼にとって金はそれ程大切ではなかったうえ、自由は最優先事項だったからだ。
彼が他の泥棒たちと違ったのはそこであった。
彼はただ愉快で刺激的であるために犯罪者の道を選んだ。
そのため、より難しいものを盗れるように、彼は仕事ごとに腕を上げていた。
コードネーム『光』
当時17才。
その日も彼は仕事に勤しんでいた。
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