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2008/09/29 22:54
コードネームライトの続き。
らいこふが盗賊です。
ひがしにも未公開。
なかなか上手にかけないもんですな。

かなり厳しい戦いの末、僕はなんとか仕事を終わらせ指示どおり再度車に乗り込んだ。
車に乗り込んだ時点で僕の方にも意志があると見なしたのだろう、拘束はほとんどなく軽い目隠しだけ施された。


しばらくの車での移動の後、目隠しのまま少し歩いたりエレベーターに乗ったりした。
それをやっと外されたのは扉の前だった。
元の場所に帰してくれるのかと思ったが、違ったようだ。
老紳士が扉を開くと奧は書斎風の大きい部屋だった。

「只今着きました」
老紳士がそう言うと、書類の山になった机の向こうから人がひょっこりと現れた。
人がいると思っていなかったので驚いていると、その男はひどい猫背で僕に歩み寄った。
「どうも、あなたが‘光’ですね」
「……。」
僕が何もしないでいると、彼はカバンを指差した。
差し出すと大げさに重そうに抱えて、比較的きれいなテーブルまで行き乱暴に置いた。
そして彼はソファに飛び乗り、片手で膝を抱えたままもう一方でカバンを開け、書類をつまみ上げると、目を通して投げ捨てる。
そうしてまた次の書類をつまみ上げ、視線を紙に向けたまま男は呟くように言った。
「コードネームLight…。本名でやっているんですね」
「偶然だ」
思わぬ言葉に僕はうっかり肯定してしまった。
それをかき消すように次いで言葉を出す。
「お前がLなのか?」
「いえ。私も、です」
男は目も合わせず事も無げに言う。
すでに机には鞄の中に有ったはずの資料が散乱しはじめていた。
「…L」
「私のことは竜崎と呼んで下さい」
そう言うと彼は複数の紙を一気につまんで読み始めた。
読むと言ってももう片方の手で一枚ずつ机に投げているようにも見える。
「…竜崎。ここに僕を連れてきて大丈夫なのか」
「それだけ信頼されているという事です」
実際は全く気を許す気が無いくせに、と僕は思った。
さりげなく動いていても、僕にここが何処かすら分からせないようにうまく作ってあるのが分かる。
おそらく逃げようとしたり、逆に襲おうとすればさらに深いところまでギミックが組んであるのだろう。
彼はそのままの論調で続けた。
「Lとあなたは利害関係の一致で繋がることになります。あなたがLに従う限りあなたには刺激的な日々を約束する、ということです」
それはどちらかといえば封建的隷属だと言いたかったが、
「…分かってる。」
とりあえず合意しておいた。
僕なら本気を出せばいつだってその罠をくぐり抜けることはできるからだ。
実はそんなことを考えながらわずかに期待していたのかもしれない。
竜崎は最後の一枚を紙の山へ投げた。
「それでは次の任務です」
僕は奴の方を見た。
奴は紙の山を指差して言った。
「これですが、もう要りません。気付かれないように返してきて下さい」
そして奴は椅子から飛びおりると、壁際の棚に置いてある菓子を一つつまんで口に放り込んだ。
…なんて奴だ。
僕はその姿を見ながら思わずため息をついて、それから資料をカバンに戻しはじめた。
外はそろそろ明るくなりだす頃だった。
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